今回は2016年と2019年を比較したときに受験者数が伸びている資格をトレンド資格と定義し、それぞれ普段からよく比較される資格と対比しながら紹介していきます。
一般的に資格の取得を検討するときにはまず内容から入り、次に合格率、難易度、試験日‥場所、受験料といった順番で見ていくのが普通なので、普段受験者数というのはあまり気にしない数字なのだが、
よくよくこの数字に注目していくと大きく世の中の流れのようなもの→つまりトレンドが見えてきます。
[ 受験者数というのがある種世相を反映させている人気投票の一面をなしていると考えればその業界の先行指数・一致指数であるという考え方です。 ]
これからさまざまな資格の取得を検討されている方には、
この「 トレンド 」という角度からも資格を眺める目をも持っていただくというのが大きな目的です。
もくじ
〔 これがトレンド資格だ!〕
「 基本情報技術者 ・ITパスポート 」
〈受験者数の変遷〉
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
基本情報技術者 | 99,999人 | 121,556人 | 21.6%増 |
ITパスポート | 77,765人 | 103,812人 | 33.5%増 |
AI時代の流れを受けてかなり増加傾向である。
詳しい内容は
・ ITパスポート|取得メリットのある資格その④をご覧ください。
比較‥「 応用情報技術者・情報セキュリティマネジメント 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
応用情報技術者 | 63,293人 | 63,555人 | 0%増 |
情報セキュリティマネジメント | 36,589人 | 28,116人 | 23%減 |
同じ情報系でもこちらは伸びていない。
「 宅建士 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
宅建士 | 198,463人 | 220,797人 | 11.3%増 |
宅建士(女性) | 59,753人 | 72,032人 | 20.5%増 |
不動産、建築系ではもともと人気の資格ではあるが近年でも伸びている、特に女性の増加が著しい。
詳しい内容は 一般財団法人 不動産適正取引推進機構 をご覧ください。
比較‥「 マンション管理士・管理業務主任者 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
マンション管理士 | 13,737人 | 12,021人 | 12.5%減 |
管理業務主任者 | 16,952人 | 15,591人 | 8%減 |
不動産系でもこちらは厳しい戦いが続いている。
「 FP2級 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
FP2級 | 38,285人 | 47,362人 | 23.7%増 |
FPも金融系ではもともと人気の資格であるが、近年でもかなり伸びている。
詳しくは FP2級|取得メリットのある資格その② をご覧ください。
比較‥「 簿記2級 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
簿記2級 | 171,296人 | 140,515人 | 18.0%減 |
よく比較される事務系の簿記2級であるが、難易度高いからか近年やや敬遠されている、ただし受験数そのものは多い。
詳しくは 簿記2級は会社の経理の要|取得メリットのある資格⑧・簿記2級合格のための基本戦略 をご覧ください。
「 中小企業診断士 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
中小企業診断士(全科目受験者) | 13,605人 | 14,691人 | 8.0%増 |
法律系(コンサル) の資格の中では健闘している資格である。
試験についての詳しい内容は 一般社団法人 中小企業診断協会 をご覧ください。
比較‥「社会保険労務士・行政書士
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
社会保険労務士 | 39,972人 | 38,428人 | 3.9%減 |
行政書士 | 41,053人 | 39,821人 | 3.0%減 |
行政書士(女性) | 10,821人 | 11,349人 | 4.9%増 |
こちらもよく比較される社労士と行政書士であるが行政書士でも女性に関しては伸びている。
行政書士に関する詳しい内容は 行政書士|町の法律家の資格を取る をご覧ください。
「 第二種電気工事士 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
第二種電気工事士 (筆記申込者・免除者合計) | 152,761人 | 166,013人 | 8.7%増 |
こちらも根強い人気がある資格であるが、さらに近年でも伸ばしてきている。
詳しくは 第二種電気工事士|取得メリットのある資格その① をご覧ください。
比較‥「 電験三種 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
電験三種 | 46,552人 | 41,543人 | 10.8%減 |
一方上位資格である電験三種であるがIT系、AI系の資格に押されてか苦戦している。
「 品質管理(QC)検定 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
QC検定 | 106,605人 | 121,720人 | 14.2%増 |
特に食品業界などでは近年品質管理が厳しくなっており、世相を反映した結果となっている。
詳しくは 品質管理検定(QC検定)|役に立つ資格 をご覧ください。
比較‥「 ビジネス実務法務検定試験2級 」
2016年 | 2019年 | 伸び率 | |
ビジ検2級 | 15,800人 | 12,552人 | 20.6%減 |
こちらも様々な業種に対応した守備範囲の広い資格であるが、苦戦している。
〔 まとめ 〕

「今取るならこれ|受験者増のトレンド資格」ということで2016年〜2019年の間に受験者が増加した資格についてそれらと良く比較される資格とともに紹介しました(今回はG検に代表されるような出来て間もない資格については省きました。
あくまでも受験する側の傾向を表したものなので資格そのものの優劣をつけるものではありませんが。
いろいろ分析していくとそこには一つの世相というか大きな時代の流れのようなものを感じることができます。
今後資格取得を検討する際には視野を大きくもって世の中の動きも判断材料の一つにする事をお勧めします。